認知症サポーターの講座を以前に受講しています。
http://www.caravanmate.com/
一日、認知症についての勉強をしたり、対処法を学んだりするのですが、この講座は現在、色々な場所で開催されているんですよ。
お仕事で高齢者さんと関わる所にお勤めされる方なども会社から受講するように言われることも多いそうで、28年6月末、既に770万人の方が受講しているそうです。
このページでは認知症が治るのか?治らないのか?家族が認知症になった場合の、対処法のお話をしています。
順天堂大学医学部精神医学講座教授 新井 平伊先生の冊子、「認知症のお年寄りへの対応」をもとに、私の体験を交えてお話しています。
治る認知症と治らない認知症
治る認知症には、下記のようなものがあります。
・ホルモン異常
・肝臓病・腎臓病
・ビタミン欠乏症
・硬膜下血腫
・水頭症 などによるもの
そして現段階では治らないと言われている認知症に
・脳卒中に寄るもの
・神経細胞の現象などに寄るもの
があります。いずれにしても早期診断・早期治療が大切です。
認知症の症状
認知症の症状には下記二つの物があります
・物忘れ・道に迷うなどの記憶障害の症状
・周りの人に怒る・不眠などの記憶障害に伴い出る症状
でも大丈夫です。
記憶障害の症状には進行を抑制するお薬があります。また、周りの人に怒る・不眠などの症状もお薬で軽快するんですよ。
要は、例え先の「治らないタイプの認知症」を発症したとしても、症状を軽くすることは可能なのです。
昔は、「じぃちゃん、ボケた」などとそのまま放置されてしまっていたお年寄りも多かったかもしれません。
でも今の時代は、認知症も治療できます。繰り返しになりますが、早期診断・早期治療が大切です。
家族が認知症に気付くには?
ただ、はっきりとした記憶障害があれば、すぐに認知症だと分かりやすいのですが、意外と気付き辛い認知症もあると思うんです。
例えば、意識のハッキリしている時と、ぼんやりしている時の差があるレビー症候群などもその一つ。
レビーを発症した私の父の場合、一番最初の症状は不眠だったと思います。
眠れない・・眠れない・・と毎晩辛がりました。しかし原因は分からず、何年もの間、持病でかかっていたお医者様から睡眠薬が処方されていました。
今思えば、あれが認知症の初期症状だったんですね。
認知症に寄る不眠・睡眠障害は、昼間は居眠りしたりとぼ~っとしていたりしますが、夜になると眠れなくなり落ち着かなくなります。また、寝付くまでに大声を上げたりします。
また、私の父は無かったのですが、夜になると発作的に起こる精神錯乱の状態で、外に飛び出してしまう事もあるそうです。
でも、私の父の場合も、治療を開始すると、夜は随分と眠れるようになり、お蔭で大夫体調がよくなりました。
ただの不眠と思って居たのが、まさか認知症だったとは。という想いです。何年もの間、本人も、かかりつけのお医者様も、家族もまったく気が付かなかったのです。
ストレスを溜めない生活をさせてあげる
ストレスは認知症を悪化させるとよく聞きます。
また認知症患者さんの経験談からも、ストレスを減らすことが認知症の回復に繋がったり、日常生活がスムーズに行えるようになったという話を耳にします。
ストレスを溜めないで生活する術は、健康において、もっとも大切な術なんだと思います。
下記は認知症になったご本人様がかかれた認知症体験の本です。
患者さん自身の心の声が聞けると、大きな評判を呼んだ本です。患者さんの苦悩と努力と、体調の改善策、病気と付き合う方法が描かれています。
自分が患者さんの家族だったとしても、自分が認知症患者になったとしても、沢山の気付きと対策が分かる素晴らしい本です。
また、認知症患者さんがストレスを溜めない生活の為には、家族の接し方も、とても重要になってきます。
認知症になる前の生活との違いから、本人だけでなく家族も不安になり、ついご本人さんを厳しい口調で叱ってしまう事もあるかもしれません。
でも、患者さんはもっと辛いんですね。穏やかな気持ちで接してあげたいものです。
記憶障害の特徴
認知症では、色々な記憶が抜け落ちるだけでなく、意識のハッキリしている時とぼんやりしている時が交互にあったりと、家族から見て、いつが「症状が出ているときなのか?」分からない時もあります。
その為、認知症患者さんは、普通の状態に見えるのに、ひどい暴言を吐くことがあります。
すると家族は、どうしても
「本心なのではないか?」
「もともとそういう事を考えていたのでは?」
と疑ってしまう事もあると良く聞きます。
けれど、その事自体、患者さん自身は忘れてしまうかもしれません。ですが、その時に、家族が強く何か言い返したりしてしまうと、「言い返されたときの嫌な感情」だけは認知症患者さんに残ってしまうそうです。
物忘れはしても、「感情的なしこり」は強く残ってしまうのです。
認知症の患者さんを介護する家族は、その点を心に置きながら、上手く対応していく必要があるんですね。
介護する家族への暴言の対処法
家族にとっては辛い事に、認知症患者さんの症状は、家族に対して出やすいと言われています。
何故か他人には体面を保ち、よそ行きの顔を見せる事が出来る。それなのに一番身近な家族に対して、暴言を吐いたりと理解を示さない事が多いのです。
その為家族は、何故自分たちに対して感謝しないばかりか、何故ひどい仕打ちをするのだろうと考えがちです。
私自身も、今まで一生懸命助けてあげていたはずの父に暴言を吐かれ、精神的にズタズタになりました。
でも、これはむしろ、自分たちが家族であるという認識を本人が持っているからこそのことであり、家族を信頼しているという証拠でもあるそうです。
確かにそう考える事が出来れば、介護する家族も報われるのかもしれません。
もしも、家族が感情を出してしまった際には、認知症患者さんは、その人に対して「うるさい人」「嫌な人」「怖い人」という感情を残してしまいます。認知症の家族を介護する人からは本当に良く「嫌われてしまった」という言葉を聞きます。
私自身も、父に嫌われてしまっている最中です。そしてその事で、この記事のタイトルとおり、家族がバラバラ状態になってしまいました。
父を怒らせないようにしながら、見守るということは、とても難しいと感じています。
若いころの家族でのもめ事とは異なり、認知症が引き起こす家族の問題は、とても複雑なものだと思います。
介護をする家族にも不安や辛い事は出てきますが、新たな日々のスタートと割り切って前を向いて、楽しい生活を作っていきたいですね。