若くても痩せていても食後高血糖の可能性が!血糖値スパイクのリスクと予防・改善法3つ

糖尿病 早期発見 簡易検査

テレビ番組「NHKスペシャル」 10月8日 食後高血糖の最新研究より
 

健康診断では「血糖値は正常」と言われていても安心できない事実が紹介されました。それは食後高血糖の存在。気付かずに放置していると心筋梗塞、糖尿病、がん、認知症になるリスクを高めることが最近の研究で分かってきました。
 

そんな恐ろしい食後高血糖の異常が、いま日本人に蔓延しているとのこと。なんと!日本全体で食後高血糖を生じている人は、1400万人以上もいるとのことです。
 

若くても痩せていても危ない食後高血糖。こんな生活をしていませんか?




食後高血糖とは?

健康な人は一日の血糖値が緩やかに上がり下がりしますが、糖尿病の人は血糖値が常に高い状態が続きます。ところが最近 「食事を食べた後だけ血糖値が急上昇する人」が沢山いる事が分かってきたそうです。それが食後高血糖。
 

この食後高血糖が怖いのは、通常の健康診断では見過ごされてしまうこと。健康診断は空腹で測る血糖値なので血糖値は一番下がった部分となります。その為、そこだけ見ても食後高血糖の存在には気付けないのです。誰でも食事の後は血糖値が上がるもの。けれど食事1時間後に、血糖値が140以上になれば、食後高血糖が起きていると思われます。
 

番組内では、とある企業等に赴き、従業員の方がたの食後高血糖を調べていきましたが、20代でも 食事前97 1時間後 233 など、食後高血糖と判定される人が続々といました。健康診断では異常なしと言われている65人のうち、なんと20人に食後高血糖が見つかりました。かなりの高確率です。
 

どんな人が食後高血糖になるの?

高血糖は今まで、肥満で脂肪肝の人がなるものと思われていましたが、最新の研究では肥満のない中年の方や、痩せた20代にも見つかっています。日本人は食後高血糖になりやすい体質のようで、色んな人がかかる可能性があるのです。
 

実際、番組の検証でも、痩せ型20代の女性5人に1人の割合で食後高血糖が起きていました。その上なんと、この問題は、子供にも広がっているそうですよ。この血糖値の変化は、140を超え、数時間のうちに正常レベルまで戻るのが繰り返されますが、自覚症状が無い為に本人は気付く事ができません。
 

食後高血糖のリスク

従来は、食後高血糖が下がらなくなると糖尿病になると言われていましたが、最近の研究では心筋梗塞・脳梗塞・認知症・がんといったリスクも高めることが分かりました。食後高血糖が様々な病気の原因となり、命の危険も招くということです。
 

食後高血糖は血管を詰まらせる原因となる為、患者は動脈硬化の多発が起こります。これが食後高血糖特有の症状です。
 

食後高血糖と動脈硬化

食後高血糖は何故、動脈硬化を発生させてしまうかというと、例えば、1度だけ食後高血糖が起こり、暫くして再び食後高血糖が起こる、というような場合は大丈夫です。
 

けれど食後高血糖が頻発する=毎食後等の場合には障害が起こってきてしまいます。動脈硬化には、程度と頻度が大きく関わって居ます。何故かと言うと、食事後、血液中に糖が増えると活性酸素が多く発生しますが、活性酸素は増えすぎると血管壁の細胞を傷つけてしまいます。傷ついた血管壁を免疫細胞が修復する時、免疫細胞は血管壁の内側に入り込み、血管内を狭めてしまうのです。それが動脈硬化が進む理由です。
 

食後高血糖と心筋梗塞・脳こうそく

動脈硬化は血管内を狭めるので、結果、心筋梗塞、脳梗塞のリスクも高まってしまいます。食後高血糖が起きるたびに少しずつ動脈硬化が起こっているということで、20代であっても食後高血糖を繰り返していると血管は40代の人と同等になってしまいます。
 

食後高血糖と認知症 

食後に血糖値が急上昇すると、すい臓から大量にインスリンが分泌されます。インスリンが多い状態では、記憶力が衰えやすいことが、ネズミの実験で確かめられました。脳を調べると、脳の神経細胞を死に至らしめる有害な老廃物=アルツハイマー型認知症の原因物質アミロイドβが蓄積していることが分かりました。その為、食後高血糖を繰り返していると、そうで無い人と比べ、1.5倍も認知症になりやすくなってしまうそうです。
 

食後高血糖とがん

食後に血糖値が急上昇すると、すい臓から大量にインスリンが分泌される為、食後高血糖の人はインスリンが多い状態です。インスリンには細胞を増殖させる働きがあるため、がん細胞の増殖も促す危険性が指摘されています。 特にインスリンが大量に作られるすい臓ががんにさらされる危険があるそうです。すい臓は他の臓器に隠れていて、なかなか がんが見つかりにくく、見つかった時には、かなり進行していると言われています。
 

食後高血糖の対策!

食後高血糖は、糖尿病の全段階では無くそれ自身が病気です。日本人の死亡原因の上位が全てに関わっているとも言える怖い食後高血糖ですが、簡単な方法で解消できる事も分かってきています。大きなポイントとして、ご飯やパンなどに多く含まれる糖質が体に吸収されるスピードを遅くし、血糖値の急上昇を抑えること!
 

気を付ける点は下記3つ!
 

食事を食べる順番に気を付ける事。
食後の運動を意識する事。 
一日3食 食べる事。

 

食事を食べる順番

まず  野菜 
次に  肉魚などのたんぱく質 
最後に ごはん
 

食物繊維を多く含む野菜などを最初に食べると、食物繊維が腸の壁をコーティングし、後から入ってくる糖の吸収をゆっくりにする作用があります。糖の吸収を緩やかにするために食物繊維を最初に摂ると良いようです。
 

食後の運動

食後すぐに動くと、血糖値が速やかに下がることが分かっています。大したことをしなくても、ちょこちょこと歩く事でも血糖値が速やかに下がるようです。「食休み」等と言って動かずにいるのは良くありません。食後15分間程度は、消化吸収をよくするため、全身の血液が胃腸に集められ胃腸の動きが活発になりますので、この時に、体を動かしましょう。
 

手や足の筋肉などに血液が奪われる為に、胃腸の活動が低下し、糖分の吸収に時間がかかりることで、食後高血糖が抑えられます。
 

1日3食食べよう

1日3食を規則正しく食べている時には、食後高血糖が生じなかった人でも、朝ごはんを抜くと、昼食の後に食後高血糖が発生することがあります。朝食と昼食を抜くと夕食後には大きな食後高血糖が起きることも分かって居ます。
 

空腹の時間が長いほど、その後の食事では、食後高血糖をより一層引き起こしやすくなりますので、きちんと3食規則正しく食べることが、大切です。
 

まとめ

命にかかわる様々な病気に関係してくる食後高血糖の存在が、最新の研究で分かってきました。そして日本人は食後高血糖を起こしやすく高確率で食後高血糖を起こしている人が多くいる事が分かってきました。
 

でも、対策もあります。
 

上記のような3つの対策を続けるうちに、血糖値が上がりにくい体が取り戻され、様々な病気のリスクを解消することができる言うことも分かってきています。まずは継続して日々の習慣にする事が体を守ってくれます。
 

★NHKのホームページに「食後高血糖(血糖値スパイク)危険度チェック」
がありますよ。
http://www.nhk.or.jp/special/kettouchi/check/index.html

 

血糖値を下げる方法と食事 血糖値が上がる原因

血糖値を下げる食事 安定

血糖値は、糖尿病の人にしか関係ないとも思われがちですが、糖尿病に限らず、この数値があがると様々な病気を引き起こしてしまいます。
 

成人の4人に1人が、50代になると3人に1人が高血糖と言われているそうですが、自覚症状があまり無い為、なかなか気付き辛いようです。
 

そんな血糖値には日ごろの食生活が深く関わっています。
 

食生活の欧米化が進んだり、外食や中食と呼ばれるスーパーのお惣菜など簡単な食事が増えてくると、栄養が偏ります。
 

また、菓子パンやジュースなどの糖質ばかりの食事は、肝臓がインスリンを大量に分泌した後、血糖値を急降下させます。すると今度は体は血糖値を上げようとホルモンが過剰に分泌されるのです。
 

血糖値と糖化

血糖値が高くなる状態が続いたり、先のような血糖値の急激な上昇を繰り返すと、「糖化」という反応を引き起こされます。
 

糖化は、しわ・たるみなど皮膚が老化するだけでなく、動脈硬化や骨粗しょう症・がんなどなど様々な病気を発症する恐れが出てきてしまいます。
 

なので、糖尿病の人に限らず、皆が血糖値をコントロールする事がとっても大切なんですね。そのためには、一日三食、栄養のバランスを考えた規則正しい食生活が大事です。
 

血糖値の安定に役立つ栄養素とは

それでは、血糖値の安定のためには、何を気を付けたら良いでしょうか?
 

まずは、朝食を抜いたり、一度に沢山食べたりなど、血糖値が急激に上がるような食習慣を止めましょう。
 

また、血糖値の安定には、「食物繊維」が有効です。
 

食物繊維は胃や腸では殆ど消化されないため、一緒に食べたものの消化スピードも遅くします。その事で血糖値の急激な上昇を抑えることが出来るのです。
 

食物繊維は第6の栄養素とも呼ばれ、従来の5大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質・ミネラル・ビタミン)に続き、最近次々と健康機能が明らかにされている注目の栄養素です。
 

食物繊維には水溶性と不溶性があり、その種類によって働きが違います。なので多種類の食物繊維を摂取すると効果的です。
 

胚芽米・押し麦などを主食として取り入れたり、副菜には、野菜・イモ類・豆類・きのこ・海藻・果物などをバランスよく組み合わせていきましょう。
 

お米に足すだけの押し麦などは、どこのスーパーでも販売されていますので取り入れやすいです。我が家でも随時常備し、毎食利用しています。
 

また、キノコ類は、似たり傷めたりするとカサも減り、軟らかく食べやすくなりますので量も沢山摂れます。
 

健康のカギを握る「食物繊維」。血糖値を安定させ、下げる食生活に、ぜひ取り入れたいですね(^^♪