父の認知症 体験談。レビー症候群が治った?!奇跡が起きた1年。

介護見守り

私の父は、認知症だったと思います。
「だったと思う」というのは、今現在、認知症の症状が
出ていないからです。

とても信じがたい話に思われてしまうので、
今迄書くことをずっと躊躇って居たのですが、
1年以上、認知症の症状が全く消えているので、
ここに記して居ます。




父の認知症の始まり

恐らくレビー症候群で、物忘れ外来でもレビーと診断されました。

一番最初は、数年前に起こした車の事故です。
幸い単独事故だったのですが、車は廃車になりました。

急に意識が無くなったそうで、気付いた時には
反対車線のガードレールに激突していました。

そのうち、レビー症候群患者さん独特の立ち姿になり、
歩く際にも、足が止まらず突進するような歩き方になりました。

この歩き方もレビーの症状です。

突進歩きは、いつもでは無いのですが、時々発症し
「足が止まら無い・・」と怖がるようになりました。

また、幻視が見えるようになり、家の隅で誰かと話をするようになり、
孫が家に来ている、誰かが家にいると言い、
夜には興奮して叫んだりするように。

気が付かないうちに家のカーテンはハサミで切ってしまう。
母の事を「だれ?」と迄言う様になって居ました。

私や母の手伝いを拒み「俺は何でもできるんだ」と
人の話を聞かず、いつも機嫌が悪く暴言も吐く。
怒ってばかり。。

どうやって父をなだめたら良いのか。。
すっかり変わってしまった父を見て、私は苦しくなって居ました。

そんな父と、1年ちょっと前、私は大喧嘩をしてしまったのです。
原因は、認知症の病院への通院に関する話のもつれでした。
 

父の回復

大げんかのあと、父は私を完全に拒み続け、
母にも、もう付き合うな!と言い、私からの電話には
出るな!とまで指示していました。

そんな日々が、実はここ1年ちょっと続いていました。

その間、父の手術があったり、母の入院があったりと
大変な日々でしたが、母からこっそり電話を貰い、
影で出来る事をしながら、父と母を支えてきたつもりです。

その1年の間に、父の認知症が劇的回復をしたのです。
 

父の現在

2か月前に母が入院して居た際には、
父は自分の通院が週に3日ある中、母の病院のお見舞いに
電車を乗り継いで1時間ほどの母の病院へ週4日来ていました。

最初は母に「早く帰ってきてくれよ~」と言って居たようですが、
母の入院が長引き、3週間目に入ったころには、

父は週3日の自分の持病の通院をしながらも
毎日洗濯をし、ご飯の用意をし、何と母のパジャマのアイロンまで
かけるようになったのです。

「おれ、一人でも生きていけそう」

そんな言葉を笑いながら言うようになった父に
今は認知症の影もありません。
 

昔の父に戻った今

1年が過ぎた今。

「離れていても、親子だからいつも心配していると伝えてくれ」
父は母に、私に伝えるように言ったそうです。

「孫の大学入学式の服でも買え」
と、この3月には、お小遣いも母経由で貰いました。

1年以上かかりましたが、今はもう、怒りっぽくなった父は居ません。
幻視も見ないようですし、立ち方も昔と変わりませんし、
突進する歩き方の症状もありません。
夜も大声を出すことも無いと母から聞いています。

いま、あの認知症の症状が出ていた日々が嘘の様です。

父は、私と大喧嘩をしてから回復し始めました。
喧嘩になってしまったことは、辛い想い出で
決して2度とあんな思いはしたくありません。

ただ、もしかすると、それは父にとっても強烈な刺激となり、
あの後、何か目が覚めたのかもしれません。

素人考えなので、全くの個人的意見ですが、
父の劇的な回復の最後の後押しとなったのも、母の入院時です。

他人の事を気が狂いそうになるくらい
心配しなければならなかった状況になったことが
父の脳の中で何かしらの変化を起こしたのかもしれません。

この1年、50年近くも仲の良かった家族が
断絶するという辛さを感じた日々でしたが、
穏やかな日々が今、やってきました。

何が起こったのか?良くは分かりませんが、
我が家の認知症体験です。

先の事は考えず、今の安定した日々を有難く思いながら
穏やかな日々を感じていたいと思っています。

全くの私事の記事でしたが。。

認知症のご家族様を持ち悩まれていらっしゃる
1年前の私のような方に、
ダメだと思っても、回復する事が本当にあり
希望が持てるようだと・・

記事にしてみました。

追記:2018.01.31
それからまた1年近くが過ぎましたが、
父は一人で買い物に行ったりと元気にしています。

追記:2018.7月

体調を崩した父が、神経内科にかかった時、飲んでいた薬を娘の私が確認しました。父とけんかしていた日々があったために、服用していた薬の内容が確認できていませんでしたが、ずっとレビー症候群に効く「アリセプト」を飲んでいたようです。

父の場合、アリセプトを半年くらい飲んでから、認知症が回復したようです。今も服用していれば、全く問題なく、いや、むしろ年齢以上にはっきりとした意識をもって生活出来ています。