40代、50代になると、以前より疲れやすくなったり、筋力の衰えが気になったりすることはありませんか。年齢を重ねるにつれて、健康のために食事を見直したいと考える人も増えてきます。
そんなときに意識したい栄養素のひとつが、たんぱく質です。たんぱく質は、筋肉だけでなく、皮膚や髪、臓器など、私たちの体をつくるために必要な栄養素。けれども、たんぱく質が大切だと分かっていても、
- 一日にどのくらい食べればよいの?
- 女性と男性では必要量が違うの?
- たんぱく質が不足すると、体にどんな影響があるの?
- 肉や魚をたくさん食べなければいけないの?
- 忙しい毎日の中で、どうやって取り入れればよいの?
このような疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
この記事では、40代・50代の男女に必要なたんぱく質の量を確認しながら、不足した場合の影響や、日々の食事に無理なく取り入れるためのレシピの工夫をご紹介します。
たんぱく質は、なぜ40代・50代に大切なの?
たんぱく質は、体をつくり、維持するために欠かせない栄養素です。筋肉をはじめ、皮膚、髪、爪、臓器などの材料になるほか、体内で働く酵素や一部のホルモン、免疫に関わる物質などにも使われています。
私たちの体は、毎日少しずつ変化しています。古くなった組織を修復したり、新しい細胞をつくったりするためにも、食事からたんぱく質を補う必要があります。
年齢を重ねると、筋肉を維持することが大切になる
40代・50代は、仕事や家事、子育て、親の介護など、日々の生活に追われやすい時期です。自分の食事は後回しになり、気がつけばパンだけ、麺類だけ、おにぎりだけで済ませてしまうこともあるかもしれません。
こうした食事が続き、たんぱく質やエネルギーが十分にとれない状態になると、筋肉量や体力の維持に影響する可能性があります。年齢とともに筋肉量が減少しやすくなることも考えると、40代・50代から食事と体を動かす習慣を意識しておくことは、将来の健康を考えるうえでも大切です。
ただし、たんぱく質を多く食べれば、それだけ筋肉が増えるというわけではありません。十分なエネルギーをとり、適度に体を動かし、休養をとることも大切です。
たんぱく質が不足すると、どうなる?
たんぱく質やエネルギーが長期間不足すると、体にさまざまな影響が現れることがあります。
① 筋肉量が減り、体力が低下することがある
筋肉を維持するための材料が十分にとれない状態が続くと、筋肉量の減少につながることがあります。階段の上り下りや、重い荷物を持つ動作などに影響する場合もあります。
② 体重や体の状態に変化が現れることがある
食事量が少ない状態が続けば、体重が減ったり、筋肉が落ちたりすることがあります。体重が変わらなくても、筋肉が減っている場合があります。
③ 体の修復や維持に影響することがある
たんぱく質は皮膚や組織などの材料でもあります。栄養不足が続くと、傷の回復や体の維持に影響することがあります。
④ 低栄養につながることがある
たんぱく質だけでなく、エネルギーやほかの栄養素も不足すると、低栄養の状態になることがあります。食欲低下や体重減少が続く場合は、原因を確認することが大切です。
疲れやすさだけで、たんぱく質不足とは判断できない
疲れやすい、肌の調子が気になる、体力が落ちた気がする。こうした変化は、たんぱく質不足だけで起こるものではありません。睡眠不足、貧血、甲状腺の病気、ストレス、ほかの栄養素の不足など、さまざまな原因が考えられます。
そのため、症状だけで「たんぱく質が足りない」と決めつけず、食事全体や体調の変化を確認することが大切です。
40代・50代のたんぱく質の必要量は?女性と男性の違い
たんぱく質の必要量は、性別や年齢、体格、活動量、健康状態などによって異なります。まずは、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に示されている推奨量を見てみると。
1日に必要なたんぱく質の推奨量
40代・50代の男女別の目安。一般的な成人の推奨量(1日あたり)
| 年齢 | 男性 | 女性 |
| 40〜49歳 | 65g | 50g |
| 50〜64歳 | 65g | 50g |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
※推奨量は、健康な人の集団を対象とした基準です。個人の必要量は体格や活動量、健康状態などによって異なります。
男性は女性より推奨量が多く設定されていますが、これは主に参照体位などの違いによるものです。女性だから少なくてよい、男性だから多く食べなければならない、と単純に考えるのではなく、自分の体格や食事量に合わせて考えることが大切です。
体重から考える方法もある
たんぱく質の必要量を考えるときは、体重を参考にする方法もあります。例えば、体重60kgの人が「体重1kgあたり1g」を目安に考えると、1日60gになります。
ただし、これは分かりやすくするための計算例であり、すべての人に当てはまる一律の目標量ではありません。
また、腎臓の病気などでたんぱく質の摂取量を調整する必要がある人は、自己判断で増やさず、医師や管理栄養士に相談することが大切です。
たんぱく質をとるときに気をつけたいこと
健康のためにたんぱく質を意識することは大切ですが、多ければ多いほどよいというものではありません。
たんぱく質だけに偏らない
体を維持するためには、たんぱく質だけでなく、炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルなども必要です。肉や魚だけを増やすのではなく、ご飯や野菜、果物なども含めて、食事全体のバランスを考えます。
食べる量を減らしすぎない
体重が気になるからと食事量を大きく減らすと、たんぱく質だけでなく、必要なエネルギーも不足する可能性があります。体重管理をする場合も、極端な食事制限ではなく、無理のない方法を選ぶことが大切です。
持病がある場合は、必要量を確認する
腎臓の病気などがある人は、たんぱく質の摂取量について医師や管理栄養士から個別の指示を受けている場合があります。健康情報を参考に自己判断で摂取量を増やすのではなく、自分に合った食事の内容を確認してください。
この記事のまとめ
- たんぱく質は、筋肉や皮膚など体をつくるために必要な栄養素。
- 40〜64歳の推奨量は、男性65g・女性50g/日。
- 長期間のたんぱく質やエネルギー不足は、筋肉量や体力の維持に影響することがある。
- 肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを組み合わせる。
- 毎日の食事に少しずつ取り入れ、無理なく続けることが大切。