「老後のお金について、そろそろ家族で話したほうがいいかな?」そう思っていても、いざ話そうとすると、「いくら貯金があるの?」「年金はいくらもらえるの?」「老後は大丈夫なの?」と、いきなり数字の話になってしまい、かえって不安になってしまうことがあります。
とはいえ老後資金について家族で話し合うときは、最初から正確な金額を出す必要はありません。まずは、お互いがどんな暮らしをしたいのかを話し、そのあとで現在の資産や毎月のお金の流れを整理していく。そんな順番で進めると、話し合いやすくなります。
そこで、夫婦や家族で老後のお金について話すときのポイントと、資産を「見える化」する方法をまとめてみました。
最初は「お金」より「価値観」を話してみる
老後資金の話になると、つい「いくら必要?」から始めたくなります。でも、その前に知っておきたいのが、お互いの価値観です。例えば、
- どんなことにお金を使いたい?
- 反対に、あまりお金をかけたくないものは?
- 老後はどんな暮らしをしたい?
- できれば何歳くらいまで働きたい?
- 旅行や趣味にはお金を使いたい?
- 住まいは今のままでいい?
など。「あなたはどうしたい?」と聞くところから始めてみます。大切なのは、相手の考えをすぐに否定しないこと。
お金の使い方には、それぞれの経験や価値観が表れます。「そんなことにお金を使うの?」と考えるのではなく、「そういうことを大切にしたいんだね」と、一度受け止めてみる。それだけでも、話し合いの雰囲気は変わります。
一度に全部話そうとしない
老後のお金には、いろいろなテーマがあります。一度に全部話そうとすると、話が複雑になってしまいます。例えば、今日のテーマは「年金」、次は「住宅ローン」、その次は「老後の生活費」というように、テーマを小分けにしてみます。ほかにも、
- 親の介護
- 医療費
- 趣味や旅行
- 住まい
- 車
- 保険
- 子どもへの援助
など、気になるテーマをひとつずつ取り上げます。「今日は年金についてだけ話そう」と決めておけば、話し合いのハードルも下がります。
先に「理想の老後」を考えてみる
老後資金を考えるとき、「足りるかどうか」だけを考えると、不安ばかりが大きくなってしまいます。そこで、一度、「どんな老後を過ごしたい?」を考えてみます。
例えば、「年に一度は旅行したい」「庭のある家でゆっくり暮らしたい」「好きな料理道具を集めたい」「美術館やホテルの庭園を巡りたい」「仕事はできるだけ長く続けたい」など。
理想の暮らしが見えてくると、何にお金を使いたいのかも見えてきます。すると、老後資金は単に「減らしてはいけないお金」ではなく、自分たちがどんな暮らしをするためのお金なのかという視点で考えられるようになります。
数字の話は、少し後から始める
最初から、「貯金はいくらある?」「年金はいくら?」「老後資金は何千万円必要?」と数字だけを並べる必要はありません。おすすめなのは、
価値観を話す ⇒ 理想の暮らしを共有する ⇒ 現在のお金を整理する ⇒ 必要な金額を考える という順番です。数字は、話し合いのための材料。最初から完璧な数字を出そうとしなくても大丈夫です。
まずは「資産の地図」を作ってみる
ここからは、実際のお金を見える化していきます。難しい家計簿を作る必要はありません。まずは、「我が家には、何がどれくらいあるのか」を一覧にしてみます。
| 項目 | 内容の例 | 金額・内容 |
|---|---|---|
| 現金・預金 | 普通預金・定期預金など | 約○○万円 |
| 株式・投資信託など | 証券口座・iDeCoなど | 約○○万円 |
| 年金 | ねんきん定期便など | 月○○万円 |
| 不動産 | 自宅・土地など | おおよその価値 |
| 保険 | 生命保険・個人年金など | 保障内容・受取額 |
| 負債 | 住宅ローン・借入金など | 残高○○万円 |
金額が分からないものがあっても、初は空欄で構いません。「保険の内容がよく分からない」「自宅の現在の価値が分からない」という項目が見つかったら、それ自体が次に確認することになります。
つまり、この一覧表は単なる資産表ではなく、「我が家のお金について、まだ分かっていないことを見つける地図」にもなります。
「持っているお金」の次は「毎月のお金」を見る
資産が見えたら、次は毎月のお金の流れを確認します。
| 項目 | 金額の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 収入 | 月○万円 | 給与・年金など |
| 固定支出 | 月○万円 | 住宅費・保険・通信費など |
| 変動支出 | 月○万円 | 食費・交通費・娯楽など |
| 貯蓄・投資 | 月○万円 | 積立・投資など |
ここでも、細かい金額まで完璧に出す必要はありません。まずは、「毎月、何にどれくらい使っているのか」を知ることが目的です。
すると、「思ったより固定費が大きい」「この支出は減らしたくない」「ここなら少し見直せそう」など、家庭ごとの特徴が見えてきます。
ここまで整理できたら、ようやく「老後に必要なお金」を考えます。続きは、この「お金の地図」を使って「老後資金はいくら必要?我が家に必要なお金を考えてみる」下記の記事へどうぞ。
