「自分が持っている1,500万円くらいの不動産(実家や土地)、元気なうちに子どもに譲ったほうがいいのかしら? それとも、将来の相続まで待つべき?」
こんな風に悩まれるシニア・プレシニア世代の方はとても多いです。大切な家族に財産を遺すなら、できるだけ税金がかからない「お得な方法」を選びたいですよね。
結論からお伝えすると、日本の税制では「生前贈与するよりも、将来の相続まで待つほうが、税金は圧倒的にお得(安くすむ)」というのが大原則です。
今回は、1,500万円の不動産を例に挙げながら、なぜ「相続」のほうが有利なのか、その理由を3つのポイントで分かりやすく解説します!
理由①:税金がかからない「非課税枠」の桁が違う!
贈与税と相続税には、それぞれ「この金額までは税金をかけませんよ」というボーダーライン(基礎控除)が用意されています。しかし、その金額の大きさがまったく違います。
- 生前贈与(暦年課税): 年間 110万円 まで
- 相続: 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
例えば、相続人がお子さん1人の場合でも、相続税なら3,600万円までは税金が1円もかかりません。つまり、今回の1,500万円の不動産であれば、相続なら税金は「0円」です。
一方、普通に生前贈与してしまうと、110万円を引いた残りの1,390万円に対して高い贈与税がかかってしまいます。
理由②:贈与税は税率の上がり方が大きい
どちらの税金も、動くお金が大きくなるほど税率が高くなる仕組み(累進税率)ですが、贈与税は相続税に比べて税率がかなり高く設定されています。
仮に、18歳以上のお子さんに1,500万円の不動産を普通に生前贈与した場合の計算を見てみると。
| ステップ | 計算内容 |
|---|---|
| 1. 基礎控除を引く | 1,500万円 - 110万円 = 1,390万円(ここが課税対象) |
| 2. 税率をかけて控除を引く | 1,390万円 × 税率40% - 控除額190万円 |
| 差し引き税額 | 366万円 |
※親から子への贈与(特例贈与)として計算しています。
なんと、子どもが受け取る段階で366万円もの贈与税を支払わなければならなくなります。相続なら0円だったはずの税金が、生前に動かすだけでこれだけ発生してしまいます。
理由③:相続には「実家を80%オフ」にできる最強の特例がある
さらに、相続のときだけ使える国特有の強力な割引制度があります。それが「小規模宅地等の特例」です。
亡くなった方が住んでいた自宅の土地などを家族が引き継ぐ場合、その土地の評価額を最大80%オフに減額して税金を計算してよい、というルールです。
もし1,500万円の土地であれば、国からの評価は一気に「300万円」まで圧縮されます。ただでさえ大きい相続税の非課税枠(3,600万円〜)がさらに使いやすくなるため、一般的なご家庭の多くが「相続税0円」の範囲に収まるようになっています。この特例は、普通の生前贈与には使えません。
【例外】あえて「生前贈与」したほうが得になるケースとは?
「じゃあ、生前贈与なんて絶対にしないほうがいいの?」というと、実は例外もあります。以下のようなケースでは、あえて生前に動かすメリットが生まれます。
- 将来、もの凄く値上がりしそうな土地:「今は1,500万円だけど、近くに新駅ができて将来5,000万円になりそう」という場合、安い今のうちに子どもに譲っておくことで、将来の相続税を抑えられます。
- 家賃収入を生む物件:子どもに早く譲れば、そこから生まれる毎月の家賃収入(財産)は子どものものになります。親の財産がこれ以上増えて、将来の相続税が高くなるのを防ぐことができます。
まとめ:基本は相続が有利!でも「今すぐ譲りたい」ときの裏ワザは?
ここまでをまとめると、基本的には「将来の相続まで待つ」のが税金面では一番お勧めなルートです。
とはいえ「老後の管理が大変だから、元気な今のうちに実家を子どもの名義に変えておきたい」「子どもが家を建てるから、この土地を今すぐ譲ってあげたい」という切実な事情があることもありますよね。
そんな時に、「生前贈与なのに、最大2,500万円まで税金が0円(非課税)になる」という、まるで相続を先取りできるような国公認の制度が存在します。
それが、以前の記事でご紹介した『相続時精算課税制度』です!
「税金は抑えたい、でも今すぐ譲りたい!」という方は、ぜひこちらの記事でその仕組みと注意点をチェックしてみてくださいね。驚くほどぴったりな解決策が見つかるかもしれません。
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【保存版】2,500万円まで非課税に?「相続時精算課税制度」のメリットと罠を徹底解説

