~「年金が少ない」だけではない、老後のお金の現実~
「老後は年金だけでは生活できない」そんな言葉が聞かれるようになり、とても不安になるのは私だけではないのではないでしょうか。
物価も上がるし、為替相場は世界情勢によって日々動くし、自分たちの力だけではどうにもならない社会を見ると、老後が今まで以上に不安になります。
「年金制度はもうダメなのでは?」「老後のお金を準備できないかもしれない」「年金だけでは足りない」そんな言葉が頭の中に浮かびますが、本当の意味は、単純に「年金が少ない」ということだけではないようです。
そこには、日本社会の変化や生活スタイルの変化、そして私たち自身のお金との向き合い方が関係しています。
年金だけでは足りないと言われる理由①
① 現役時代と老後では生活費の考え方が変わるから
現役時代は、住宅ローンや教育費、仕事否、交際費等々さまざまなお金が必要ですが、老後になると、仕事による収入は減る一方、食費や住居費、そして何が起こるか分からない医療費、介護費、出来れば楽しい老後を送りたい 趣味や交流のお金などの生活費は続きます。
つまり老後は「収入が減る時期」でありながら、「基本的な生活そのものにお金が必要な時期」です。
②年金だけでは足りないと言われる理由
また、平均値だけでは自分の生活は分からないのが辛い所であり、大きな不安材料です。老後資金を考える時に注意したいのが、この「平均」という数字です。例えば、
平均的な年金額、
平均的な生活費、
というデータがあっても、実際の生活は人によって大きく違います。それを薄々心の奥では感じながらも、どうしても私たちは「平均ねっ」とその額を信じるというか、見てしまいます。でもそれはあくまでも平均だから。。という事に本当は気づいているのです。それがモヤモヤした不安が起こる原因です。
・持ち家か賃貸か
・健康状態
・地域差
・趣味や旅行への支出
・家族構成
によって、それぞれのご家庭の必要なお金はもちろん変わります。
大切なのは「平均に合わせること」ではなく「自分の場合はいくら必要なのか」を考えることです。もしもそれらを はっきりさせておきたいときには、一度ファイナンシャルプランナーに相談してみてもよいかもしれません。
希望する内容によりますが、ファイナンシャルプランナーの方に相談料の見積もりを取ってみると良いと思います。
③年金だけでは足りないと言われる理由
寿命が延びたことで「長生きリスク」が生まれました。医療の進歩によって、私たちは以前より長く生きられる時代になっています。それもこの数年で着実に平均寿命は延び続けています。
これは嬉しい事であると同時に、長い老後を支えるお金も必要になりました。心理学や行動経済学では、人は未来のリスクを実感しにくい傾向があります。これを、現在バイアスと呼びます。
へぇそうなんだ。。と情報を得たことで満足しているうちに、着実に年月は進みます。その間にも資金は減り続けることがあります。たとえ減り続けるのは避ける事が出来たとしても、少しでも増やしていく事に目を向けておくことが必要です。老後資金を準備する時間が少なくなってしまうことがあります。
年金制度は「老後のお金全部」を支えるものではない
残念ながら公的年金の役割は、老後の生活をすべて支えるものではありません。人生の基礎的な収入を保障する仕組みであり、年金=すべて解決してくれません。
私たちは老後収入を得る事が出来ない程に年を取り、病気を抱えているのに寿命だけは延び続ける社会。頼れる人もみな老人。支え合おうにも支える事が出来ない社会がやってくることを想像すると、本来は年金は命綱の筈です。日本の年金制度は優秀とはいえ、それでもこの世に そんな魔法のような年金制度はないのです。
とはいえ、年金=意味がないもの でもありません。長い人生の中で、確かに「生活の土台になる大切な制度」ではあることは事実です。
老後のお金「3つの柱」
その為私たちは、老後のお金を考える時には、当然のごとく 一つの収入源だけを見るのではなく、複数の柱で考えることが大切です。
① 公的年金
国の制度による基本的な収入。
② 自分で準備する資産
・預貯金
・投資
・個人年金
・退職金 など。
③ 働く力
今は当然のようになっている社会です。⇒ 高齢化社会が進み人材不足もあるので、雇ってもらいやすい世の中にもなっていることは、不幸中の幸いのような感覚も芽生えますが。とはいえ、ギリギリの限界の生活の中で働くことは、誰もが避けたいと思うのではないでしょうか。
出来れば、ゆとりの老後費用の捻出としての意味で、定年後に働ければ一番幸せな働き方になりますよね。
不安を減らすために必要なのは「金額」より「把握」
考えてみると、老後のお金で最も怖いこと、大きな不安材料は、「足りないこと」そのものより「何が足りないのか分からないこと」になります。それは例えば、
・毎月いくら必要?
・年金はいくら受け取れる予定?
・固定費はいくらになりそう?
・今後必要になる支出は何?
これを把握するだけでも、不安は大きく変わるはずです。心理学では、分からないものに対して不安が強くなることを、不確実性への不安 といいます。
お金の問題も、見えない状態だから怖くなる。例えるなら、姿が見えないけれど(=老後の生活)、そこに誰かがいるような気がして(=誰?誰かいるの?)怖い(=分からないと不安)というような感じかもしれません。
老後のお金は恐れず「知ること」
「年金だけでは足りない」この言葉だけを見ると、未来が暗く感じるかもしれません。しかし本当に大切なのは、不安になることではなくて。自分の状況を知り、できることを少しずつ準備すること、です。
一度ファイナンシャルプランナーに相談するのもお勧めです。
まとめ
年金だけでは足りないと言われる理由は、単純に年金額が少ないからではない。
・老後も生活費は必要
・寿命が延びている
・生活スタイルが多様化している
・平均ではなく自分自身の計画が必要
という背景を鑑み、「自分のお金を理解しておくこと」

