「老後資金はいくら必要ですか?」この質問に対して「2000万円必要」「3000万円あった方が安心」という数字を目にすることがあります。
でも我が家の資産をしていて、つくづく気付いたのですが、2000万円では到底追いつきません。病気の家族がいるゆえ、家族の働き手の割合が、他の家よりも少ない我が家。資産は平均よりも(何を平均とするか?自体が問題ですが)多く必要になります。
なので、政府が発表する2000万円、3000万円という数字を鵜呑みには出来ません。老後に必要なお金は、人により当然ながら大きく違います。
また、簡単な事から言えば、持ち家なのか賃貸なのか。夫婦なのか一人暮らしなのか。どんな生活を送りたいのか。健康状態はどうなのか。これら基本的なことからでさえ、当然ながら必要な金額は変わります。
例えば余裕があったとしても。。いつ災害が起きてもおかしくありません。災害で失う額と、その後の人生で必要になる額が見合う人など、ほぼいないのではないかと思います。自分の人生のお金は、いくら試算をしても足りません。
「老後2000万円問題」は何を意味していたのか?
「老後2000万円問題」という言葉が大きな話題になりました。この数字は、すべての人に2000万円必要という意味ではなく、老後の生活費と年金収入の差を ある条件で試算した場合の一例です。
生活スタイルや収入状況、自分の望む未来像によって、必要額は変わります。大切なのは「2000万円あるか、ないか」ではありません。2000万円という数字に捉われては未来が見えてきません。「自分の場合はいくら不足する可能性があるのか」を知らなければなりません。
例えば地震保険一つでも、地震の発生しやすい地域の保険料は、高く設定されているのをご存じでしょうか。地震が起きた時だけの問題ではありません。保険料もシビアに設定されているのです。それ程、人の住む地域、生活により、備えのお金は変わるという事です。
そして今現在の資産から、当然、増やしていく事、増やし続ける事も考えなければなりません。例えば資産価値のありそうな不動産を買う事を検討し、何十年も先の未来への投資としてプラスマイナスをはじき出してみる事も検討材料の一つだと思います。
結果、我が家はその計算をするたびに「これは却下」が続いていますが。。(辛いです)
値上がりしそうな不動産だからと言って飛びつくと、その後の支払いにより生活費が削られるかもしれません。しかし、反対にその不動産をある程度の短期で売って、利益を出す人もいます。また、将来の家賃が上がり、老後の生活を支える収入になる人もいるかもしれません。
老後を見据えたお金は今の資金を守る事だけではありません。何十年も先の収入を得る方法と、今の出費とを照らし合わせ、持続的な収入を得る方法も検討する余地があります。
とはいえ、大切な老後資金を「賭け」に回すような事も出来ませんので、例えばファイナンシャルプランナーに相談する事も良いかもしれません。
私も以前お願いしてみたことがあります。しかし私が相談したFPさんは、我が家の経済状況を見たうえで、深入りしてくれませんでした。我が家はその程度の経済状況ではあります。それもそれで、良い勉強になりましたが。
必要な知識を教えてもらう事は出来ると思います。老後のお金を試算するときには、ファイナンシャルプランナーへの相談もお勧めです。
老後資金を計算する基本の考え方
老後資金は、次の式で考えることができます。
必要な老後資金の はじき出し方
老後に必要なお金=(毎月の生活費 × 老後の期間)+臨時支出−(年金などの収入)
例えば、毎月の生活費が25万円、老後期間を25年と考えた場合、生活費だけで、25万円 × 12か月 × 25年となります。ここから、年金収入を差し引き、不足分を準備するという考え方です。
Step① 老後の毎月の生活費を考える
まず確認するのは、「老後に毎月いくら必要か」です。現在の生活費を参考にしますが、そのまま同じとは限りません。減る可能性があるもの:
・仕事関連費
・通勤費
・教育費
増える可能性があるもの:
・医療費
・介護費
・住まいの修繕費
・趣味や交流費
老後は、「現役時代より必ず生活費が下がる」とは限りません。自分がどんな生活をしたいかを考えることが大切です。意外と大きな出費の一つに、子の結婚に関する費用、子の住宅取得に関わる補助、などがかかっているお宅も多いのが現状です。
Step② 年金はいくら受け取れるか確認する
次に、当然ながら老後の収入を確認します。中心になるのは公的年金です。確認する方法として「ねんきん定期便」や、「ねんきんネット」があります。大切なのは、漠然と「年金は少ないだろう」と不安にならず、実際の数字を知ることです。
年金定期便はお誕生月に毎年届きますが、ねんきんネットはいつでも確認できます。詳しいデータを持っていなくとも、スマホからおおよその金額を見る事も出来ます。
Step③ 老後に必要な大きな支出を考える
毎月の生活費だけではなく、人生には大きな支出があります。例えば、先の子供さんの結婚などもそうですが、
・住宅修繕
・車の買い替え
・医療費
・介護費
・家電の買い替え
・冠婚葬祭
などです。老後のお金で見落としやすいのは、「毎月ではない支出」です。普段の家計だけを見ると、余裕があるように感じても、大きな支出が重なると家計が苦しくなることがあります。
医療費に関しても今までは大きな病気にかかると障害者手帳が貰え、医療費も安くなる時代でしたが、これからの時代は障害認定をされる法律も変わる可能性があります。
また、孫が生まれれば、その費用も各種出しているお宅が多いのも実情です。
なぜ人は「平均」に振り回されるのか?
心理学では、人は数字を見ると、その基準に自分を合わせようとする傾向があります。これを、アンカリング効果といいます。最初に見た数字が、判断の基準になってしまう心理です。
「老後2000万円」という言葉を最初に聞くと、その数字が頭から離れなくなることがあります。しかし、本当に見るべき数字は、世間の平均ではありません。あなた自身の家計です。
今日からできる老後資金チェック
まずは、次の5つを書き出してみてはいかがでしょうか。
□ 老後に毎月いくら使いたいか
□ 年金はいくら受け取れそうか
□ 住まいはどうするか
□ 大きな支出は何がありそうか
□ 何歳まで働きたいか
完璧な計画を作る必要はありません。大切なのは、「知らない状態」から、「考えられる状態」になることです。

