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現代社会で気を付けたい「歩く力」のサインと プチ体操

老後資金

「まだ若いし、歩くことに困ってなんていない」そう思っている方も多いかもしれません。できれば、健康記事だって「高齢者向け」には興味が無く、「まだ若いんだから、そんなもの読まなくても大丈夫」と思っていたいもの。

でも、歩くことについては、困ってから考えるより、元気なうちに知っておくことにも意味があります。なぜなら、歩く力は突然なくなるものではなく、筋力やバランス能力などの変化によって、少しずつ変わっていくことがあるからです。

座り作業の多い現代社会では、年齢問わず歩く力の低下には気を付けなければなりません。そこで今からチェックしておきたい「歩く力」のサインについてまとめました。

「歩く力」は、ただ歩けるかどうかだけではありません

私たちは普段、「普通に歩けているから大丈夫」と考えがちです。でも、歩くという動作には、

  • 脚の筋力
  • 関節の動き
  • バランス能力
  • 身体を支える力
  • 足を持ち上げる力
  • 疲れにくさ

など、いろいろな身体の機能が関わっています。そのため、歩けなくなってからではなく、日常生活の中の小さな変化に気づくことが大切です。

日本整形外科学会では、運動器の障害によって立ったり歩いたりする移動機能が低下した状態を「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」と呼んでいます。運動器の障害は徐々に進行するため、自分で気づくことが重要とされています。

では、どんなところを見ればいいのでしょうか。

「歩く力」の5つのサインとは?

階段が以前よりつらくなってきた

以前は普通に上っていた階段なのに、「最近、階段ってこんなに疲れたっけ?」と感じることはありませんか?特に、

  • 手すりを使うことが増えた
  • 階段を一段ずつ上るようになった
  • 上ると脚がかなり疲れる
  • 下りるときに怖さを感じる

などの変化があれば、一度自分の脚力を意識してみてもいいかもしれません。

日本整形外科学会でも、「階段の上り下り」や「急ぎ足で歩くこと」などが難しくなっている場合を、ロコモのサインとして紹介しています。

もちろん、階段が苦手だからといって、すぐに病気というわけではありません。「以前と比べてどうか」を見ることがポイントです。

歩くスピードが、以前より遅くなった

買い物や駅まで歩いているとき、「前はもう少し早く歩けた気がする」と感じることはありませんか?信号を渡るときや、人と一緒に歩いているときに、「ちょっと待って」と思うことが増えてきたら、これも自分の歩き方を振り返るきっかけになります。

歩く速さには、脚の筋力だけでなく、バランスや身体全体の機能も関係します。ただし、歩く速度は年齢、体格、体調、道路環境などにも左右されます。

ですから、他人と競争する必要はありません。「去年の自分と比べてどうかな?」くらいの感覚で十分です。

ちょっとした段差で、つまずくことが増えた

これも、意外と見逃しやすい変化です。家の中の小さな段差や、歩道のちょっとした凹凸で、「おっと……」となる。あるいは、何もないところで足が引っかかる。

一度や二度なら誰にでもありますが、以前よりつまずくことが増えたなら、少し気にしてみてもいいかもしれません。

足をしっかり持ち上げる力や、身体のバランスなどが歩行には関係しています。

日本整形外科学会も、「家の中でつまずいたり滑ったりする」「横断歩道を青信号で渡りきれない」などを、移動機能の低下に気づくための例として挙げています。

椅子から立ち上がるとき「よいしょ」が増えた

これは、とても身近なチェックポイントです。椅子から立ち上がるときに、

  • 手をついて立つ
  • 反動をつける
  • 一度身体を前に倒してから立つ
  • 以前より時間がかかる

などの変化はありませんか?立ち上がる動作には、脚の筋力が必要です。

日本整形外科学会の「ロコモ度テスト」にも、脚の筋力を見る立ち上がりテストが含まれています。だからといって、自宅で無理なテストをする必要はありません。まずは、「そういえば、最近立ち上がるときに手を使うようになったな」と気づくことからで十分です。

長く歩くと、以前より疲れる

近所への買い物。駅までの道。旅行先での散策。以前なら普通に歩けた距離なのに、「今日はちょっと歩きすぎたな」と感じることが増えてきたら、これも自分の身体を見直すきっかけになります。

日本整形外科学会では、「休まずに2~3km歩き続けること」や「15分くらい続けて歩くこと」が難しい場合などを、移動機能について確認する際の目安として紹介しています。

ただし、ここでも大切なのは数字をクリアすることではありません。「以前はできていたことが、少しずつ難しくなっていないか」を見ることです。

「今できるか」より「変化」に気づく

ここまで読んで、「全部できる。まだ大丈夫」という方も、もちろんいると思います。むしろ「今できているから安心」ではなく、「今できている状態をできるだけ長く保つ」という考え方が大切なのかもしれません。

ロコモは、日常生活にまだ大きな支障がない段階でも進んでいる場合があると日本整形外科学会は説明しています。だからこそ、「まだ困っていないから関係ない」ではなく、「困っていない今だから、少しだけ気にしておく」というくらいがちょうど良さそうです。

今日からできることは、意外とシンプル

歩く力を保つために、特別なことを始めなければいけないわけではありません。まずは、

  • 少し歩く時間をつくる
  • 座りっぱなしを減らす
  • エレベーターだけでなく、無理のない範囲で階段を使う
  • 椅子から立つ・座るなどの日常動作を意識する
  • 痛みがあるときは無理をしない

など、普段の生活の中で身体を使う機会を意識してみることから始められます。日本整形外科学会も、ロコモ予防・進行抑制のための運動として「ロコトレ」などを紹介しています。

ただし、痛みやふらつきがある場合や、急に歩きにくくなった場合は、無理に運動を始めず医療機関に相談してください。

「まだ若いからこそ」知っておきたい

座りっぱなしの現代社会では、少しずつ身体の変化を感じることがあります。でも、「もう年だから仕方ない」と考える必要もありませんし。反対に「まだまだ若いから大丈夫」と何も気にしない必要もありません。

その間くらい。「今は元気。でも、これからも歩ける身体でいたいから、少しだけ気にしておこう」くらいでいいのだと思います。

歩くことは、買い物に行くことも、旅行することも、好きな場所へ出かけることも、誰かに会いに行くことも支えてくれます。

だから「歩く力」は、単なる体力の話ではなく、これからの暮らしを自分で楽しむための力でもあります。まだまだ「足腰の事なんて先の話」と思っている今だからこそ。今日、いつもの道を歩きながら、「私、ちゃんと歩けてるな💛」と確認してみる。

そんな小さな健康チェックから始めてもいいのかもしれません。

「歩く力」を守るために、今日からできる小さなこと

大げさな運動を始めなくても大丈夫。

  • 🚶 いつもより少し多く歩く
  • 🪑 椅子から立つ・座る動作を意識する
  • 🦶 キッチンでかかと上げ
  • 🧍 座りっぱなしを減らす
  • 🧹 掃除や買い物など、日常の動きを大切にする

「運動する時間」を別に作るより、いつもの暮らしの中で身体を少し多く使う。そんな始め方でOKです。

椅子から立つ・座る

椅子に座った状態から、ゆっくり立って、ゆっくり座る。これは特別な器具もいらないですし、「立ち上がる力」を保つ練習になります。ただし、膝や腰に痛みがある場合は無理をしない。

キッチンで「かかと上げ」

料理をしているときなどに、台や壁に手を添えて、かかとをゆっくり上げる → 下ろす。日本整形外科学会も「ヒールレイズ(かかと上げ)」をロコモ対策の運動として紹介しています。

ロコモONLINE 日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト

歯磨き中は「片脚立ち」……ただし、必ず支えを

これは日本整形外科学会のロコトレにも入っています。しかし、片脚立ちは転倒の危険がありますので、必ずつかまれる場所で行うことが推奨されています。洗面台など、すぐ手をつける場所で、無理のない範囲で行い安全第一にしてください。

日経ヘルス 「1分の片足立ち」が老化を防ぐ ジャンプでさらに効果アップ!

「10分だけ歩く」を増やす

「毎日30分ウォーキング!」と言われると、「……今日はいいです😂」となりがちです。まずは、

  • 一駅分だけ歩く
  • 買い物で少し遠い店まで歩く
  • 食後に10分歩く
  • 用事のついでに遠回りする

など。短い時間から習慣にすると良いかもしれません。厚労省も「今より少しでも多く身体を動かす」ことを基本にしています。

厚生労働省 身体活動・運動

座りっぱなしをちょっと減らす

これも、実はかなり大事です。「運動時間を作らなきゃ」ではなく、1時間座っていたら、一度立つ。とか、テレビを見ている途中で、お茶を入れに立つ。など。厚労省も、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することを勧めています。

厚生労働省 財行動と死亡率の関係

出来る事から少しずつ、初めてみるのも良いかもしれません。

※この記事について

この記事は、日常生活の中で自分の身体の変化に気づくための一般的な情報をまとめたものです。特定の症状から病気を判断するものではありません。歩きにくさ、強い痛み、ふらつき、転倒などがある場合は、医療機関にご相談ください。