この記事は「老後資金の計算に まずは「お金の地図」を作る」で作ったお金の地図を元に「老後に必要なお金」を考えていく記事です。
例えば、老後の生活費 − 年金などの収入 という差額を考えるだけでも、必要な自己資金を考える手がかりになります。ただし、老後の生活費は家庭によって大きく異なります。
住宅ローンが残っているか、持ち家か賃貸か、車が必要か、旅行や趣味にどれくらいお金を使いたいかなどによっても変わります。
そのため、「老後は○万円必要」と最初から決めてしまうより、自分たちの現在の生活費をもとに考えるほうが分かりやすいと思います。
例えば、「現在の生活費は月○万円」「老後はこのうち何が残る?」「住宅ローンはいつまで?」「旅行や趣味には年間いくら使いたい?」というように、一つずつ考えていきます。
「年金だけで足りる?」だけで考えない
老後のお金を考えるとき、「年金だけで生活できるの?」という問いだけに集中すると、不安が大きくなりがちです。実際には、
- 年金収入
- 預貯金
- 投資資産
- 退職金
- 働いて得る収入
- その他の収入
など、いくつかの収入・資産を合わせて考えることになります。また、老後には生活費だけでなく、
- 医療費
- 介護費
- 住宅の修繕
- 車の買い替え
- 趣味や旅行
- 家族への援助
など、まとまった支出が発生する可能性もあります。だからこそ、「老後資金はいくら必要?」という一つの数字を探すより、「我が家の場合は、どんなお金が必要になりそうか?」を考えることが大切です。
見える化すると「次に何をするか」が分かる
資産と毎月の収支を整理すると、今まで漠然としていた不安が、具体的な「確認事項」に変わってきます。例えば、
●毎月の支出が大きい→ 固定費を確認→ 今後も必要な支出か検討
●貯蓄が思ったより少ない→ 毎月の積立額を確認→ 支出とのバランスを検討
●投資資産の内容がよく分からない→ 現在の資産配分やリスクを確認→ 必要に応じて専門家に相談
●年金の見込み額が不明→ ねんきん定期便などで確認
●保険の内容を覚えていない→ 保険証券や契約内容を確認
●自宅の価値が分からない → 必要に応じて不動産価格の情報を調べる
というように、「何となく老後が心配」だった状態から、「まずはこれを確認しよう」という状態へ変えていくことができます。
家族で作るのは「完璧な老後計画」ではない
老後のお金について話し合うとき、最初から完璧な計画を作る必要はありません。人生は予定通りには進まないもの。働く期間が変わったり、住む場所が変わったり、家族の状況が変わったりすることもあります。
だからこそ、一度作った計画をずっと守るというより、現在地を確認して、必要になったらまた見直す。そんな「地図」のような使い方でも十分です。大切なのは、家族の誰か一人だけが、「老後のお金、大丈夫かな……」と抱え込まないこと。
まずは、「ちょっと一緒に整理してみない?」くらいの軽い気持ちで始めてみるのもいいかもしれません。
家族で老後資金を話すときのまとめ
老後のお金を考えるときは、いきなり「いくら必要?」から始めなくても大丈夫です。まずは、
① お互いの価値観を知る
② 話すテーマを小分けにする
③ 理想の老後を共有する
④ 資産を一覧にする
⑤ 毎月のお金の流れを確認する
⑥ 老後の生活費と収入を考える
⑦ 次に確認・見直しすることを決める
という順番で整理してみる。老後資金の話は、「足りる・足りない」を決めるためだけのものではありません。これからどんな暮らしをしたいのか。そのために、今のお金をどう使い、どう備えていくのか。それを家族で考えるための時間でもあります。
最初から細かな数字を揃える必要はありませんので、まずは一枚の紙に、「我が家にあるもの」「毎月入ってくるもの」「毎月出ていくもの」「これからやりたいこと」を書き出すところから始めてみる事をお勧めします。