親の介護の平均費用と申請で貰える給付金 休暇制度まとめ【交通費の介護割引も】

親の介護 お金が無い ピンタレスト

高齢化社会が進む中で、私達は自分の老後を迎えながらも親の介護もしていく時代です。お年寄りになると 転ぶだけだって介護状態になります。介護はある日突然やってきます。
 

自分たちの老後費用を貯める事の前に、親の介護となると、いったいどの位の費用がかかるのか?使える制度、貰える手当、給付金のお話です。また、ご家族の介護をされている方対象に、金利がアップする定期預金も地方銀行や交通費割引など 多岐にわたる介護費負担減の情報をまとめています。
 



介護にかかる費用平均は?いくら位かかるの?

介護保険の教科書によると

平成24年度生命保険文化センターの調査によれば、実際に介護を経験した人が一時費用(自宅の増改築や介護用品の購入など)にかけた金額の平均は91万円でした。前回調査の平成21年より5万円多くなっています。
 

これに加え、月々にかかった費用(同じく公的介護保険の自己負担含む)の平均は1ヵ月あたり7.7万円でした。こちらも前回調査よりわずかに増えています。
 

大切なのは1ヵ月7.7万円の出費がどれくらい続くのか? ですが、同センターの調査では56.5ヵ月(4年9ヵ月)という数値が出ています。
 

ここから介護に必要な金額を計算すると(7.7万円×12ヵ月)×4年9ヵ月+91万円(初期費用)=529万9,000円

 

介護離職について

総務省の発表する「就業構造基本調査」では、50代の10人に1人が働きながら介護をしていることが分かっています。そして、介護と仕事の両立の難しさから、年間10万人と言われる人が介護離職をせざるを得ないとのこと。働き続けるにしても 退職するにしても、生活が厳しくなるのが介護。その時に利用できるのが下記の制度です。
 



介護で貰える休暇制度やお金

下記の休暇制度や手当 給付金が貰えます。

介護休業

 

要介護状態の家族1人につき通算して93日まで休業を申請可能
 



介護休暇

 

要介護状態の家族1人につき年間5日まで1日単位で休暇を取得可能
 

※また、介護休業法では申請した労働者に対して時間外労働の制限も定められています。フレックスタイム制度や短時間勤務制度などが利用出来たり、深夜残業の制限・転勤に対する配慮も定められています。
 

※勤務体系や労働日数などに寄り対象になら無い場合もあります。
 

介護休業給付金

 

介護休業中には会社側からお給料が出ませんが、そのかわり「介護休業給付金」というものがもらえ、賃金日額の67パーセントの給付を受ける事が可能です。介護休業開始時に会社に申請しましょう。
 

家族介護慰労金

要介護度が重度の高齢者を在宅介護する家族。おおむね65歳以上の寝たきり、 認知症の高齢者を介護する人に対し現物給付される慰労金です。 支給額の目安:年額3~8万円程度。年1回「食事券」「マッサージ券」等が支給される市区町村もありますが、実施していない市区町村もあります。
 

その他自治体の手当

自治体に寄り名称や支給対象が異なるようですが、65歳以上で寝たきりの方や認知症の方、介護している方などに支給されるものとして、下記のようなものがあります。
 

【老人福祉手当】
【老人介護手当】
【住宅増改築費用 補助金】
 

自治体に寄り異なります。役所にお問合せください。
 

住宅リフォーム費用

公的介護保険から住宅リフォーム費用が出るものがあります。公的介護保険を利用出来る住宅のリフォームには、下記のようなものがあります。寝たきりなどの介護が必要な状態になるのを予防する内容も含まれています。
 

・転倒予防や移動等の為の手すり
・部屋や廊下・トイレ・浴室などの段差の解消
・滑りの防止や移動の円滑化等の為の床などの材質変更
・開き戸から引き戸などへの扉などの変更など
・便器の取り換えなど
 

介護費用が出せない時。公的介護保険のサービスと支給内容&家族給付金まとめ


 

やむを得ず離職することになったら

下記の制度が利用できます。
 

失業手当

 

失業手当受給期間の延長。失業手当受給は、退職した日から1年ですが、 介護が理由で再就職活動が出来ない場合、 最長3年間受給満了日の延長が行えます。
 

社会保険料などの免除や減免

 

【国民年金】
失業状態で、家族にも収入がない場合は免除を受ける事が可能。
 

【国民健康保険料】
免除にはなりませんが、介護離職の「特定理由辞職者」の場合は、保険料が軽減される場合があります。市町村の国民健康保険課の窓口でご確認ください。
 

生活福祉資金貸付制度

 

【生活福祉資金貸付制度】

収入が少ない世帯に国が非常に低金利でお金を貸し出してくれる制度です。低所得者世帯・障害者世帯・高齢者世帯 が対象です。
 

保証人を立てない場合は、年1.5%の利子がかかりますが、保証人を立てる場合は無利子で借りられます。
 

貸付なので、給付とは異なり、返済済義務はあります。お住まいの地域の市町村社会福祉協議会に問い合わせてください。
 

介護保険医療費が高額な時

世帯内の同一の医療保険の加入者の方について、毎年8月から1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額を合計し、基準額を超えた場合に、その超えた金額を支給します
(高額療養費及び高額介護(予防)サービス費の支給を受けることができる場合には、その額を除く。)
 

介護保険や医療保険の窓口で申請すると、払い戻しを受けることが出来ます。
 

下記HPより
全国健康保険協会
 

遠距離介護の負担を減らせる交通費

遠距離介護の交通費の負担を減らすには、下記でまとめています。ご参考にどうぞ。

【遠距離介護 交通費割引】新幹線・航空券など割引まとめ


 

民間 地方銀行の金利UP 定期預金

下記の地方銀行で、ご家族の介護をされている方を対象に定期預金の金利をUPするサービスがあります。
 

【JA介護支援貯金】
JAの高齢者福祉の一環として、一定の条件に該当する要介護者および同居する家族の方への貯金。預入限度は要介護者および同居する家族を合算して500万円まで。預入時の「スーパー定期貯金<単利型>」の店頭表示の利率に 0.1%を上乗せした利率を満期日まで適用。

介護支援定期貯金
 

(※これ以前は+0.3%だったのですが、現在は0.1%になっています。世の中厳しくなっていますね…)
 

根本的な介護の費用不足の場合は?

ただ、介護施設への入居待ちの間にかさむ費用や、介護施設に入るためのお金が無かった時には、どうしたら良いでしょう?
 

・市役所に相談する。
・地域の地域包括支援センターに相談する
・介護認定を受けていたら、ケアマネージャーさんに相談する。

 

自分でも出来る限りの費用を捻出しながら、様々な制度を利用していきましょう。