両親の通院介護30年、在宅介護1年を経験しました。父母共に大きな複数疾患を持っにも関わらず介護者は、私一人だけ(一人っ子故)というかなり厳しい条件下での介護をしてきました。そんな私が思う介護費用のお話です。
介護について調べると、
- 施設費
- 医療費
- オムツ代
- 介護用品代
など、介護を受ける人にかかる費用の話がたくさん出てきます。もちろん、それらは大切な費用です。ですが、実際に介護を経験した私が感じたのは、本当に見落としやすいのは「介護する人を守るためのお金」でした。
介護は「できない」のではなく「疲れてできない」
例えば介護食。
本来なら食材を細かく刻んだり、すりつぶしたりすれば済むことかもしれません。でも、介護を続けていると疲れが溜まります。身体も疲れています。心も疲れています。その状態で毎日介護食を作り続けるのは簡単ではありません。
なので私は、すりつぶし済みの介護食品や便利な食品を利用することがありました。「できないから」ではなく、私自身の心身の健康を壊さない為に「必要だったから」です。
労力を減らすためのお金
また「介護中は、少しでも負担を減らしたくなります。例えば、先の出来合いの介護食だけでなく、夜中の粗相に備えて「使い捨ての吸水シーツ」を購入、利用するなど。
本来なら洗濯できるシーツを買えば、それで済むかもしれません。でも、夜中に何度も起きてシーツを交換したり、朝から洗濯を繰り返すなどの日々は、介護者の体力を削っていきます。ヘルパーさんは「もったいないよ。洗えばいいよ」と言ってくれますが、介護初心者にとっては、少しでも負担を減らさないと身が持ちません。
だからお金を払ってでも、使い捨てシーツにして、お金をかけてでも負担を減らしたくなります。
介護便利グッズは、介護者の負担を減らすものが沢山あります。皆がお金をかけてでも介護者の生活を守りたい、そういう発想から生まれるのが介護商品ですから、その費用をかけるほど、介護者の生活が守られるのは、当然でもあります。
少しでも楽になるなら。少しでも負担が減るなら。それを望んで悪いわけがありません。
疲れは家計にも影響する
また、介護をしていると、介護費用だけでなく、介護者の疲れによってお金の使い方も変わってきます。安いスーパーへ行く元気がなく、近くのコンビニで済ませてしまう。外食が増える。ネット注文が増える。
買い物に行ったついでに、自分へのご褒美として予定外のものを買ってしまうこともあります。それは贅沢というより、心を保つための出費 =必要経費と言っても過言ではありません。
施設介護でも在宅介護でもお金はかかる
介護施設に入所できれば安心と思われるかもしれません。しかし、もちろん施設には施設の費用があります。
一方で在宅介護なら安いかというと、そうとも限りません。先に書いたように、在宅介護では、介護者の体力や精神力を維持するための費用が発生します。そして、その費用は家計簿には現れても、「介護費」としては意識されにくい「見えないお金」なのです。
準備したいのは「介護者を守る予算」
介護費用を考えるとき、私は介護経験者としてこう思います。必要なのは、介護される人のためのお金だけではない=介護する人が倒れないためのお金も必要です。
便利なサービスを使うお金。少し楽をするお金。休むためのお金。自分を癒すためのお金。それらは、決して無駄遣いの類ではないと思います。
介護を続けるために必要な費用です。
まとめ
介護費用というと、どうしても介護を受ける人にかかるお金ばかりに目が向くかもしれませんが、実際には、介護者の心と身体を守るためのお金という見落しポイントがあります。
介護は長期戦になることも少なくありません。だからこそ、「介護にいくらかかるか」だけではなく、「介護する自分を守るためにいくら必要か」も、大切な予算だと思います。

