55歳 役職定年から始まる老後の賃金減に【忘れず貰う手当給付金】

定年による収入減

改正高年齢者雇用安定法により、希望すれば65歳まで働けるようになりました。労働契約法20条では、有期雇用社員と正社員とで、労働条件や賃金に関して、不合理な格差をつけてはいけない事になっています。とはいえ、企業は、定年を迎えた社員に対し、契約社員や嘱託社員として賃金を引き下げ再雇用することが常となっています。
 

60歳の定年後、再雇用されると、お給料が一気に減ってしまう事が多いようです。それらを補う給付金のお話です。(※R7以降の制度改正も追記しています)
 



50代に起こる収入減「役職定年」

ただ、それよりも怖いのが、その定年の数年前に、企業は着々と賃金引き下げの準備をしている可能性があるということです。これは「役職定年」若しくは「定職制」と呼ばれ、一定の年齢に達すると、管理職から外れたりする制度です。
 

厚生労働省の「平成21年 退職金、年金及び定年制事情調査」のデータでは、資本金5億円以上かつ従業員数1,000人以上の大企業で、その47.7%に当たる企業が役職定年制度を実施していたとの事。なんと、ほぼ半分の企業で行われている制度なんですね。
 

「月刊 PRESIDENT 2013.10.14号 金持ち老後、ビンボー老後」でも、定年後の現在、年間60~70回の企業研修の講師を務める人気講師である Mさんも、55歳で役職定年を言い渡された際の事を振り返って居ます。
 

部長職を失って移動した先の職場では、机やパソコンの準備すら整っていなかった。プライドを傷つけられ乱れた生活を送っていた時期もある。と。
 

役職定年 我が家の主人の場合

実は我が家の主人も、55歳にして、この「役職定年」を経験しました。主人の場合にも東京都の本社で部下を持っておりましたが、近隣県の支店への移動となり、部下は付かなくなりました。
 

役職手当のみならず、地域手当も大きく減りましたので、実質大きく賃金が下がりました。「役職定年」は、約半数の企業が行って居るというのですから、どこのご家庭でもあり得る話と思います。
 

老後の備えの為には、定年数年前に減収が待ち受けている可能性がある事も、考慮しておく必要があるようです。
 

また、ただでさえ数年後に定年を控えた男性の方を襲う「役職定年」は、心理的なショックも受けるかもしれません。我が家の主人も転勤の際に、かなり落ち込んでおりました。ただ、この収入減は、力量不足ではなく、65歳まで雇う為とも取れる対策な訳ですので、ご家族の方が役職定年になった際には、心理的に支えてあげる必要もあると思います。
 

それでは、収入減を支える3つの給付金を見ていきましょう。
 



1. 定年後、同じ会社で働き続ける時

▶ 2025年以降 60歳になる方は 現状より給付金が減ります。そのことも追記しています。
 

【高年齢雇用継続基本給付金】
60歳定年後65歳までの雇用において、お給料が大幅に減る可能性があります。失業保険を貰っていない人で、被保険者期間5年以上、60歳に到達した時点での賃金を100%として、その後のお給料が75%以下になる人が対象です。
 

賃金の低下率に寄り給付額は異なりますが、例えば、61%以下の場合には、月の賃金の15%相当が65歳まで給付されます。企業の地域にあるハローワークで申請しましょう。尚、75%以上が支給されているときには対象となりません。
 

※(令和7年4月1日施行)令和7年度から新たに60歳となる労働者への同給付の給付率を10%に縮小されます。そして政府はその後段階的に廃止にする方針を示しています。
 

理由は 2013年施行の改正高年齢者雇用安定法にて 国が 希望者希望者全員が65歳以上まで働ける企業を目指したことで、その割合は78%になりました。この経過措置が令和6年度で終了します。そこで令和7年4月から給付金は段階的に廃止されていくのです。本来は 高年齢労働者において、同一労働同一賃金であることが求められますので、企業が対応してくれれば良いですが、そうでない場合には、収入減となる可能性があります。
 

2. 定年後、再就職する時

【高年齢者再就職給付金】
定年後 失業保険を貰ってから再就職した場合、被保険者期間5年以上の人で、以前よりお給料が75%以下になる人が対象です、今まで勤めていた会社管轄のハローワークで高年齢受給資格の確認をしておきます。 すると再就職先の会社で、この給付金を貰う手続きをしてくれます。
 

ただし、失業保険の給付日数が100日以上残っていることが条件です。至急期間は、失業手当の残り日数200日以上は2年間、残り日数100日以上は1年間となります。支給される金額は「高年齢雇用継続給付金」が65歳まで貰えるのに対し「再就職給付金」は最長2年です。したがって「雇用継続給付金」の方が多く貰えますので、失業保険を貰おうと思う時には、貰う前に一度、検討した方が良さそうです。
 

(※失業保険は、定年退職であっても、60~64歳までの求職中であればもらえます。受給期間は退職から1年間です。手続きが遅れると給付日数が残っていても、支給が打ち切られる事もあります)
 

どちらの制度も、給付されるには上記の様に、幾つか支給条件があります。お勤めの企業のある地域のハローワークで確認できます。
 



3. 高年齢求職者給付金について

3-1) 65歳未満まで雇用保険に加入し働いた場合には、通常の失業保険(150日)が貰えます。
3-2) 65歳過ぎてから退職した場合には、「高齢者失業保険(高年齢求職者給付金)」が50日分貰えます。
 

通常の失業保険の方が有利な条件になっています。もし65歳になってからすぐに退職する予定がある場合には、65歳より前に退職した方がメリットが大きいです。65歳以上も継続して働く予定があるのならば、勿論、働き続けた方がお得になります。結果として 退職日が、お誕生日前とお誕生日後の 1日違うだけでも失業保険が100日分減ってしまいます。気を付けたい所です。
 

まとめ

簡単にまとめると、基本は働き続ける。
 

雇用保険をお得に利用するためには、定年後には『高年齢雇用継続基本給付金』を貰い働き続けた後、失業保険を満額の150日分貰うために、65歳になる前に退職して失業保険を貰う
 

高年齢雇用継続基本給付金の基準は、60歳到達時の賃金が元になりますが、その数年前から「役職定年」が行われはじめます。私達は老後の為に、コツコツと準備をしていくつもりでいても、お給料は、段階を経ながら、どんどんと減っていくという事です。
 

老後を豊かにする為に、まずは知って、そして未来に向けて動いていきましょ。
 

※「定年後の保険はどうする?」についても下記でまとめています。
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