母が亡くなり、私一人では遺品の片づけができそうになかったので、遺品整理業者を頼んでみました。
某自治体の清掃業務課と提携し、そこから紹介された遺品整理業者であったため、初めは安心していました。しかし、行政と提携しているからこその危うさを感じましたので、私と同じ思いをする人が出ないよう記事にしておきたいと思います。
遺品整理業者とは
遺品整理業者とは、亡くなった方の自宅を片付けることを専門とする業者です。遺品と不用品の分別・処分、部屋の片付け、遺品供養など、遺品整理に関連するさまざまな場面でサービスを提供するのがお仕事ではありますが、その内容や対応は業者次第です。しかし大切なことは、行政から紹介されたからと言って、行政のお墨付きなわけではないという事です。行政を通してお仕事をもらっているだけであり「仕事内容が良い」わけではないと分かりました。
遺品整理業者に限らず、この手のお仕事は業者に言われた通りの額を支払うしかないため、もちろん行政と提携していれば「ぼったくり価格」にすることは出来ないでしょう。ただそれだけです。現在は口コミサイトの付いた業者依頼サイト(例えば くらしのマーケットやミツモアなど)がありますので、正直なところ、そのような口コミ付きのサイトの方が安心して頼めると感じました。
その理由として、頼んだ人の口コミが分からない所にお願いするのは、大事な遺品整理には適さないと強く感じたからです。たとえ業者自身のサイトには良い口コミばかりだったとしても、その口コミは業者が選定したものしか乗せられていないのは当然です。私の依頼した遺品整理業者のホームページにも、口コミには それはそれは美辞麗句が並べられていました。社長の写真も優しそうな笑顔が掲載されていました。
しかし実際は、私が頼んだ遺品整理業者は、社会人としての礼儀さえありませんでした。
遺品整理日当日の業者の対応
遺品整理当日に社長が家にやってきたとき、当然依頼者の私はご挨拶をしました。「おはようございます。よろしくお願いします」。しかし社長は私を仏頂面で「無視」。社会人としては考えられない対応。遺品整理は人生において度々あることではありません。そのうえ、一回の金額は50万程度の事も多く高額です。別に社長としては私がリピーターになる訳でもないので、愛想なんていらなかったのかもしれません。(でも、おはようございますは言えるでしょうに)
口コミが書かれる心配のない私の依頼。結局業者にとって、依頼者はお客さんではなく、自治体であったのかもしれませんね。
そんな依頼者のあいさつ無視から始まった遺品整理。私自身はそれでも愛想よく対応しました。何といっても母の部屋の最後の瞬間となる時間ですから。私にとって大切な思い出の時間でもあります。にもかかわらずそんな時間の流れの中で、社長は全ての会話に対して無愛想。若しくは無視。ただ社長は一度だけニコニコしていました。お会計時に。
遺品整理業者とは
もうその人柄は忘れるとして、遺品整理業者がどの様なものか、まとめていきたいと思います。
遺品整理は(その業者曰く)亡くなった方と近くに住んでいないために片づけが出来ない人や、遺品整理をする人がいない方のためのお仕事だそうです。私のように、母の遺品を自分で仕分けて、ごみだけを持って行ってもらいたいような人は「特殊」だと言われました。
それは業者ごとに考えが異なるかもしれません。しかし私のように、自分の必要とする依頼内容や感覚と異なる遺品整理業者に発注してしまう事もあり得ます。遺品整理業者は自分にあった業者を自分で探す必要があると思います。私が行政を通して頼んだ業者は「依頼者は黙ってろ」という対応に見えました。
私が頼んだ業者が言うには、遺品整理業者は、全部遺品整理業者が仕分けをして、部屋をがらんと空にするのが仕事、とのことでした。私の場合、前もって全て要らないものは捨てて、家具をからにし、捨てるものは捨てられる状態にし、遺品整理業者がすることはごみを運び出してもらう事だけの状態でした。それは遺品整理業者にとって利益にならなかったようです。とはいえ10万超えのお支払い。ただ、全部を遺品整理業者に頼むと皆その業者には50万円前後支払っているようでしたので(業者のHPにて確認)、私の依頼はほかの人の依頼と比べて面白くない依頼だったのかもしれません。とはいえ1時間程度の滞在時間。普通に社会人として、せめてその間、普通に会話できないのかと思いました。母の部屋の遺品整理の時間は、良くない記憶となってしまいました。
遺品整理業者を頼むときには、HPを見てもその人柄は分かりません。とても綺麗な言葉が並べられていて、お願いしたくなりますが、結局は部屋を片付けることが仕事です。ものを捨てることが仕事なのだと、その業者の姿を見て痛感しました。ほかの業者さんは分かりませんが。
思い入れのある身内の遺品を整理するときに、ただ部屋の物を捨てることが仕事だと思っている業者に頼んでしまうと、依頼者としては辛いかもしれません。遺品整理業者が来る前に自分で分別をし、遺品整理当日に業者に迷惑をかけた訳でもない私に、当日挨拶もしない、そんな業者が来る可能性もあります。自社サイトの口コミは信じられません。悪い口コミは載っていません。
結果として、今回遺品整理を頼んだ私にとって勉強となったこと。それは、大事な家族の遺品整理は、口コミが掲載されている依頼サイト(例として「暮らしのマーケット」や「ミツモア」など)でお願いする方が安心と感じたことです。(自分で選んだ業者であれば、まだ納得もいきます。)またそれ以外には、自分で探す際には「遺品整理」というカテゴリーで探すと高額になってしまう可能性があります。もしも自分で大事に遺品整理をしたいと思う時には、「粗大ごみや不用品を収集してくれる業者のカテゴリー」で探し、出来ることは自分ですると安く済み、遺品整理の時間むことも分かりました。いまの時代、行政と提携し紹介されたからと言って安心材料にはならないと分かりました。
その後別件で、残った家具を私の自宅へ運ぶために「ミツモア」で業者を探しましたが、こちらはとても良い業者さんに出会えることが出来ました。遺品整理は亡くなられた方に対する「身内として最後の大事なお仕事であり時間」となります。部屋に残された「家族の遺品」は思い入れがあります。遺品整理をしている依頼者の気持ちも色々なものを抱えながらの作業時間です。その気持ちを大切にしろとは言いませんが、無下にしない業者さんを選んでみてください。
以上、私の体験談となりますが、大事な人を亡くした後の遺品整理を業者を頼む際、私のように後味が悪い思い出を抱えてしまう人が少しでも減ることを願っています。