2022年4月からの年金制度改正で、年金は 75歳まで繰り下げ受給できるようになります。
多額に借金を抱えながら、高齢化社会が進んでいる日本。できるだけ長く働くことが推奨されることを思うと、もう「余生を謳歌する」という老後のイメージは少し変わってくるのかもしれません。人それぞれの今ある健康を有難く思い、働き続ける中に楽しみや幸せを見つける必要がありそうです。
以前に出された 政府の「高齢社会対策大網案」では、60歳~64歳の就業率は 平成28年時点の63.6%から67%まで引き上げるのが目標となっています。健康寿命の目標も平成25年より7年間で1歳以上伸ばす事が目標に掲げられていました。そんな時代。年金をいつから貰い始めるか悩むところです。
※健康寿命とは:(健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間)
年金受給の繰り下げは いくらお得なの?
年金は繰り下げ受給で月の受給額が増える仕組みです。
受給開始は65才基準で受給開始年齢を「60~70歳の幅」で選択が出来ます。2022年4月の制度改正以降は 75才まで選べます。例えば2018年度の国民年金受取額の場合には、
60歳から受給すると 月額45500円
65歳から受給すると 月額64900円
70歳から受給すると 月額92200円 でした。
毎月の受給額に関していえば、当然ながら早く受け取り始めた方が少なく、遅く受け取り始めた方が多くなります。
2022年4月からの制度改正以降の受給額は?
2022年の制度改正以降は、年金受給開始年齢を「75才から」も選べるようになります。
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では いつから受給開始すると「月の受給額ではなく総受給額」がお得になるのかというと、
70歳から受け取り始めた場合
65歳からの受給と比べて 受給総額が上回るのは「81歳から」
75歳から受け取り始めた場合
65才からの受給と比べて 受給総額が上回るのは「86才から」
70才からの受給と比べて 受給総額が上回るのは「91歳から」
になるようです。
とはいえ、日本人の平均寿命は 2021年のデータで 男性81.41歳 女性87.45歳。健康寿命は 男性72.14歳 女性74.79歳です。
結果として あまり受給開始年齢を遅らせると、いざ年金受給となったとき、生きているかさえ分かりません。どの様な生活を送っているかも分かりません。そのうえ、今後 医療費も1割から2割へ上がっていく時代がやってきます。貰える年金を医療費に使うか、娯楽に使いたいかなど 年金をどのように使うかによって、受給開始年齢の希望も変わるかもしれません。
まとめ
昔は60歳になれば年金が支給されましたが、そんな時代も終わりました。人の寿命と健康寿命は、それぞれ。年金受給開始に関しても、ひとそれぞれの大きな人生の選択である時代となりました。
政府は定年制に関わらず、年を取っても誰もが職場で活躍するエイジレス社会を目指しています。年金制度や健康状態などなど、老後に関して色々な考えを誰もが持って居ますが「エイジレス」でいたいというのは、もちろん万人の願いですよね。
※「定年後の保険はどうする?」についても下記でまとめています。
老後 定年退職後 60歳からの保険見直し 総まとめ。がん保険など選び方6点
2022年4月からの年金制度改正に関しては こちらをどうぞ