年金は 75歳まで繰り下げ受給できる時代になりました。
多額に借金を抱えながら、高齢化社会が進んでいる日本。できるだけ長く働くことが推奨されることを思うと、もう「余生を謳歌する」という老後のイメージは、昔とは全く変わってきています。人それぞれの今ある健康を有難く思い、働き続ける中に楽しみや幸せを見つける必要がありそうです。
以前に出された 政府の「高齢社会対策大網案」では、60歳~64歳の就業率は 平成28年時点の63.6%から67%まで引き上げるのが目標となっていました。そして2025年現在、どうなったかというと、なんと就業率 71.5%。年齢を重ねても働く時代になりました。それなのに 健康寿命は全国平均で74.11才です。
そんな時代。年金をいつから貰い始めるか悩むところです。
※健康寿命とは:(健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間)
年金受給の繰り下げは いくらお得なの?
年金は繰り下げ受給で月の受給額が増える仕組みです。
受給開始は65才基準で受給開始年齢を「60~75歳の幅」で選択が出来ます。例えば2018年度の国民年金受取額の場合には、
60歳から受給すると 月額45500円
65歳から受給すると 月額64900円
70歳から受給すると 月額92200円
毎月の受給額に関していえば、当然ながら早く受け取り始めた方が少なく、遅く受け取り始めた方が多くなります。
総受給額はいつからお得になる?
いつから受給開始すると「月の受給額ではなく総受給額」がお得になるのかというと、
70歳から受け取り始めた場合
65歳からの受給と比べて 受給総額が上回るのは「81歳から」
75歳から受け取り始めた場合
65才からの受給と比べて 受給総額が上回るのは「86才から」
70才からの受給と比べて 受給総額が上回るのは「91歳から」
とはいえ 男女別日本人の平均寿命は 2024年のデータで 男性81.09歳 女性87.14歳。また健康寿命は最新版のデータで 男性72.64歳 女性75.58歳。健康を害してから寿命を迎えるまで、男性9年間、女性12年間という年月があるというデータになっています。とても不安な日々を過ごさなければならないかもしれません。
年金の話に戻りますが。
結果として あまり受給開始年齢を遅らせると、いざ年金受給となったとき生きているかさえ分かりません。どの様な生活を送っているかも分かりません。そのうえ、健康を害してからの年月が長いと思われる中、後期高齢者の医療費は2022年10月より1割から2割負担に上がっています。貰える年金を医療費に使うか、娯楽に使いたいかなど 年金をどのように使うかによって、受給開始年齢の希望も変わるかもしれません。
まとめ
昔は60歳になれば年金が支給されましたが、そんな時代も終わりました。人の寿命と健康寿命は、それぞれ。年金受給開始に関しても、ひとそれぞれの大きな人生の選択である時代となりました。
政府は定年制に関わらず、年を取っても誰もが職場で活躍するエイジレス社会を目指しています。年金制度や健康状態などなど、老後に関して色々な考えを誰もが持って居ますが「エイジレス」でいたいというのは、もちろん万人の願いですよね。
※「定年後の保険はどうする?」についても下記でまとめています。
老後 定年退職後 60歳からの保険見直し 総まとめ。がん保険など選び方6点
2022年4月からの年金制度改正に関しては こちらをどうぞ
https://stop-rougohasan.com/nenkin/19092