年金が約2倍に増やすことが可能な時代になりました。1.その2倍に増やす方法と、2.ちょっと知恵を使った「お得に2倍に増やしながらも」「貰える年金は早めに貰う」という、知っておきたい お得な年金の貰い方裏技。また 喜んでばかりもいられない、繰り下げ受給の損、そして時効による年金消失もあります。十分注意しながら幸せに年金を受給していく為のまとめです。
年金を75歳から繰り下げ受給する
現在、年金の受給開始年齢は 60歳から70歳まで自分で選択できます。しかしが、その上限が2022年4月から75歳に引き上げられました。75歳まで繰り下げ受給をすると、年金受給額が184%、ほぼ2倍になります。
年金は1か月の繰り下げで +0.7%ずつ増えます。初めの1年だけ受給を遅らせれば増額の権利が発生します。その後は1か月ずつ 75歳受給の 184%に近づいていく、そんな仕組みになっています。
関連記事→繰り下げ受給の増額は+0.7%/月です
70歳から受給するか?75歳から受給するか?の2択な訳ではありません。ですので 75歳まで受給を我慢する必要はありません。無理なく働けるところまで働き 受給を遅らせることで 年金受給額を増やせます。
寿命による損得に注意
75歳から受給する場合、70才から受給と比べて 受給総額が上回るのは「91歳から」。また65才から受給する時と比べると「86才から」になります。ちなみに 70歳で受給をする場合、65歳からの受給と比べると、受給総額が上回るのは「81歳」となります。
健康寿命の関係に注意
日本人の平均寿命は2021年のデータで 男性81.41歳 女性87.45歳。健康寿命は 男性72.14歳 女性74.79歳です。あまり受給開始年齢を遅らせると、いざ年金受給となったとき、どの様な生活を送っているかは分かりません。寝たきりになっている可能性だって無いとは言えません。
今後 医療費も1割から2割へ上がっていく時代がやってきます。貰える年金を医療費に使うか、娯楽に使いたいかなど 年金をどのように使いたいかによっても、受給開始年齢の希望も変わります。それぞれの方の人生の選択になります。
年金繰り下げ受給の裏技:受給開始をずらす
また、厚生年金加入者だった場合、年金の繰り下げ受給は、国民年金を65歳から、厚生年金を75歳からと、それぞれ分けることが可能です。双方同時に開始する必要はありません。そしてどちらの年金も75才から受け取る場合には 184%で受給できます。ですので、
例えば 1. 65才から 厚生年金を受給し、75才から国民年金を184%で受給する。
または、2. 65才から 国民年金を受給し 75才から厚生年金を184%で受給する、
という事ができます。どちらか一方を遅らせれば、その年金は184%で受給できます。一方の年金は早く貰いながらも、しっかりもう一方の年金を増やす方法として、検討する価値がある 驚きの受給法です。
加給年金受給者は時効に注意
それぞれの受給額の多いほうを184%にした方が もちろんお得。ただし加給年金がある場合は、1の厚生年金を65才から受給を選択したほうがお得になります。
何故かというと、加給年金は厚生年金とセットになっている為です。75歳まで待っていると、加給年金の対象から外れ、貰いそびれてしまうことがあります。時効は5年です。年金は上手にお得に 少しでも多く貰いましょう。
3)妻が65歳になるまでの加給年金:
ご主人さまが年金を受ける年になった時に、厚生年金の被保険者期間が20年以上あり、妻が65歳未満・若しくは子供が18歳のお誕生日後初めての3月31日迄。
当サイト 主婦が老後貰える年金平均額 と 年金を増やす7つの方法 から
その他の年金繰り下げの時効について
加給年金のみならず、時効で消えてしまう年金は他にもあります。繰り下げには十分注意して検討したいものです。当サイト内のページにて下記まとめています。
●年金繰り下げ待機中に加入者が亡くなられた場合
年金繰り下げ待機中に加入者が亡くなった場合は、増額無しでの5年分が一時金として支払われますが、5年より前の分は時効で貰えません。
繰下げ請求は、遺族が代わって行うことはできません。繰下げ待機中に亡くなった場合で、遺族の方からの未支給年金の請求が可能な場合は、65歳時点の年金額で決定したうえで、過去分の年金額が一括して未支給年金として支払われます。ただし、請求した時点から5年以上前の年金は時効により受け取れなくなります。
●繰り下げ受給中に加入者が亡くなられた場合
年金繰り下げ受給開始後に加入者が亡くなった場合は、例え受給期間が数か月しかなかったとしても、一時金も貰えません。
年金支払忘れの時効
国民年金の保険料は、納付期限から2年以内であれば納めることができます。しかし納付期限から2年を過ぎると、時効により納めることができなくなります。
各種年金受給の時効
・老齢年金の時効 5年
・障害年金の時効 5年
・遺族年金の時効 5年
・未支給年金の時効 5年
・死亡一時金の時効 2年
・脱退一時金の時効 2年
詳しくは:日本年金機構「年金の時効」
【その他注意点】
年金は税込みです。繰り下げで受給額が増えても税金がかかりますので ご注意ください。
75才まで繰り下げ受給をしない 普通の繰り下げ受給の考え方はこちら