老後の暮らしを考えるとき、「どこで暮らすか」はとても大切なテーマですよね。 気候や交通、医療の充実度だけでなく、まちの設計そのものが、私たちの安心を支えてくれることもあります。
住み慣れた街に住む選択もある中で、老後に国内移住を考える人もいるかもしれません。老後は何より移動に困難を感じる日々が増えてくると思いますが、その辺を解消できそうな国のプロジェクトがありましたので、それについてまとめています。
今回は、国が推進する2つの都市構想「スマートシティ」と「コンパクトシティ」に注目して、老後の安心につながるまちづくりをご紹介します。
1.スマートシティとは?
● 技術で安心を育てる都市構想です。
スマートシティは、ICT(情報通信技術)やAI、データ活用によって、都市の課題を解決する未来型のまちづくりです。 健康・防災・交通・環境・教育などをテクノロジーで最適化し、特に高齢者にとっては、医療・介護アクセスの改善や見守り支援などが期待されています。
スマート・ライフ・プロジェクトの内容
健康づくりの国民運動として、以下の3つの柱を中心に展開されています。
- 運動(日常的な身体活動)
- 食生活(栄養バランスの改善)
- 禁煙(生活習慣病予防)
全国の自治体・企業・学校が参加しており、一例として会津若松市は、スマート・ライフ・プロジェクトモデル都市のひとつです。 またその他の地域、東京都・大阪府・福岡市などで、健康イベントやウォーキングキャンペーンなどが行われているのも、このプロジェクトが関係している事があるかもしれません。
スマートシティの成功事例は?
- 会津若松市(福島県) 健康・介護・見守り・交通などをICTで連携。高齢者の健康寿命延伸を目指す取り組みが進行中です。
- 藤枝市(静岡県) ICTと地域資源を融合し、持続可能な都市を目指す。見守り支援や地域のつながりを重視しています。
- 宇都宮市(栃木県) LRT(次世代型路面電車)整備を軸に、スマート技術とコンパクトシティ構想を融合しています。交通効率と都市の賑わいを両立を目指しています。
2.コンパクトシティとは?
● 距離で安心を守る都市構想です。
コンパクトシティは、人口減少・高齢化に対応するために、都市機能を集約して暮らしやすくする構想です。 生活圏を縮めることで、移動負担を軽減し、医療・介護へのアクセスを高めることが目的です。
国土交通省は「立地適正化計画」を通じて、自治体に都市の再編を促しており、宇都宮市では地価や人口密度の上昇など、一定の成果が確認されています。
都市設計の工夫としては、「串と団子型」⇒交通軸に沿って生活拠点を配置。「あじさい型」⇒複数の拠点が連携しながら機能する設計というものがあります。
コンパクトシティの成功事例都市
- 富山市(富山県) 路面電車「富山ライトレール」の整備で公共交通を強化。高齢者の外出が増え、中心市街地の活性化に成功しています。
- 福岡市(福岡県) 空港・港・駅が中心部に集まり、移動効率が非常に高くなっています。徒歩や自転車で回遊できる都市設計がされています。
- 松山市(愛媛県) 路面電車で公共施設・商業・観光地を結び、暮らしやすさを実現。歩行者に優しい道路整備も進行中です。
街づくりの課題としては
- 地方では人口流出が続き、都市機能の集約が進みにくい地域もあります。
- 高齢者の移動手段や公共交通の維持が難しいケースもあり、一部では「失敗」と見なされる事例も出ています。
ただし、政策全体としては「失敗」ではなく、地域ごとの工夫と継続的な改善が求められている段階です。
どんな都市に住むか?
それは、どんな安心に包まれて生きたいかという人生の問いなのかもしれませんね。 技術で支える安心も、距離で守る安心も、どちらも「老後の尊厳」をそっと支えてくれます。そしてそのまちに、やさしい人のつながりがあれば、きっとそれは一番の“安心のふるさと”になるのかもしれません。

