年金は通常65才受給開始ですが、60才からの繰り上げ受給、75才までの繰り下げ受給が可能です。
そして年金受給額の増減は、1月あたり 繰り上げの場合0.4%減。繰り下げの場合0.7%増となります。
65才年金受給開始を60才まで繰り上げた場合とリスク
1月あたり0.4%減であっても、その減額された受給額が一生続きます。ですので 長期的に見れば繰り上げ受給はお得とは言えません。また何かしらの障害を持つ状態となり、障害年金を受給しようとした時、その障害に関する初診日が、年金繰り上げ請求後である場合は、障害年金がもらえなくなるリスクも出てきます。 ※初診日が年金繰り上げ請求後であっても厚生年金保険加入者の場合は障害年金は受給できます。(厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やけがの初診日があること)。
故に、繰り上げ受給は十分に検討したうえで 受給開始する必要があります。繰り上げについても繰り下げについても一度請求してしまえば、それを変更することは出来ません。
65才受給開始を75才まで繰り下げた場合
繰り下げは、繰り下げを選んだ時点で 最低1年は受給開始を遅らせる制度になっています。しかし1年経過後は 1か月刻みで受給開始時期を選べます。
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繰り下げを選んだ場合、年金受給開始は66才。結果としてそれだけで 1年 8.4%増えることになります。
低金利の今の時代に 8.4%増やすのは とても難しい事ですよね。しかしそれが「待つだけ」で増えるのです。ならば65才からの1年は 出来る事なら繰り下げしておいた方がお得です。
始めから66才受給のつもりでいても良いかと思います。66才になったら1か月ごとに繰り下げ受給開始を検討しても遅くはありません。66才以降も 年金が無くとも生活できるまで、年金受給を繰り下げていけば 月0.7%ずつ増えていきます。
結果として ひと月0.7%×12か月×10年 で、75歳まで繰り下げれば84%増えることになります。
※但、個々人が何歳まで生きるかは全く分かりませんので、生涯受給額が何才を分岐点に増えるかは神のみぞ知るですが。
受給開始年齢で年金受給額が増減する制度は、自分に有利に選択していきましょう。